Frank Foster (ts)

'50年代前半に加入、同時期に加入したFrank Wess と共に Two Franks と呼ばれ、ウェスが Coleman Hawkins 直系であるのに対して、どちらかというと、 Lester Young の影響を受けたモダンなスタイル。ベイシーは '30年代に Lester Young と Harschel Evans のテナーバトルが好評を博したことから、それ以降必ずといっていいほど、レスター・ヤングのスタイルと、Harschel Evans や Coleman Hawkins のスタイルのテナーを揃えていました。ベイシー曰く、「リズムセクションを固めたら、次はテナーだよ。」というくらいテナーサックスの人選には気を配っていたようです。それでも、フォスターとウェスの違いはそれほど大きいものではないように思えるのですが・・・。フォスターもぶりぶり吹きまくるのは得意なはず。 Basie In London の Jumpin' At The Woodside の延々と続くソロは鳥肌もんです。

 また、作曲家、アレンジャーとしても楽団に多くの楽曲を提供し、なかでも Shiny Stockings は楽団の最重要レパートリーといってもいいでしょう。この曲のネーミングはキレイな足が好きだった(!!)彼が、あるとき客席のかわいい女の子のストッキングがステージのライトを反射してきらきら光っていた事からつけたんだそうです(スィングジャーナルのインタビューより)。う〜ん、深いです。Easin' It はそんな彼の楽曲のみで構成されたアルバム。ブルースが多い。

 ベイシーの死後、Thad Jones (tp) の後を受け、楽団のリーダーに就任。リーダーとしての活動中に、バンドの顔であった Freddie Green (gt) がこの世を去り( 1987.3.1逝去 )、リーダーのベイシーばかりでなく、バンドのサウンドの個性を担っていた Freddie なしで往年のベイシー楽団のリズムを再現しようとして苦労したはず。 Live At El Morocco や Basie's Bag ではその試行錯誤のあとがうかがえます。彼の苦労なしには現在のベイシー楽団の好調ぶりはありえなかったはず。評論家にはボコボコに書かれていて、僕も彼が指揮していた時期のベイシー楽団の音はあまり好きではないけれど、Basie、Freddie Green 死後の楽団を支え、現在の好調につなげたという点で拍手を送りたいです。

 惜しくも2011年7月26日に逝去されました。ご冥福をお祈りいたします。



ソロを聴くなら・・・。

Two Franks ( Americans In Sweden Vol.1 ) :
自分の名前が冠されたナンバー、もう一人の Frank、 Wess との熱いバトルが聴き物!

Jumpin' At The Woodside ( Basie In London ) :
強烈なリフに煽られてのロングソロ!名盤!

Little Pony ( Autumn In Paris ) :
リードミスもなんのその。ベイシーも大喜び!


代表曲

Shiny Stockings ( April In Paris )
ベイシーバンドのみならずジャズのスタンダード。名曲!!


In A Mellotone ( Breakfast Dance And Barbecue )
こちらはアレンジのみ。優雅なサックスソリとエキサイティングなトゥッティで本家の Duke Ellington 以上に有名かも。


Back To The Apple ( Live In 1958 & 1959 )
アップテンポのジャンプナンバー。


Discommotion ( En Concert )
仕掛けにあふれたグルービーなブルース!終盤のリードトランペットのハイノートも印象的!
Ernie Wilkins 作の "Basie" と間違えられやすいですが別の曲です。