● ベイシー楽団に'50年代はじめに加入し、大きな足跡を残したテナーマン。プレイスタイルは、楽団最初期に人気を博した二人のテナーマン( Herschel Evans、Lester Young )でいえば Herschel Evans のスタイルと呼べるのでしょうが、品格だとか上品という印象とはほど遠いえげつないソロをとります。再結成直後のバンドで活躍し、'54年にいったん退団したあと、'57年に復帰。同年の Basie (a.k.a. "Atomic Basie" ) は彼のショウケースといってもいいくらい、ほぼすべての曲でソロを取っています。その後一時引退。どうやら、A & R (音楽関係のライブの斡旋のような仕事) の事務所に就職し、完全にかたぎの生活をしていたようです。'60年代にジャズ界に復帰と同時にベイシーバンドにも復帰。バンドでは前職を生かして(?)メンバーの採用及び解雇を担当していたそうです。映像を見るとテナーをヒョイと持ち上げてセンターマイクに登場する様子はまさに真打登場!という感じでかっこいいです。そして、豪放なソロを取って帰る姿もかっこいい!!ベイシーはバンドも客も盛り上がるため、たいそう気に入ってたそうですが、あるときロックジョウが客席の女の子に流し目を送りながら吹いていて、演奏にまったく集中していなかったため、ベイシーは譜面を丸めて彼の頭めがけて投げつけた、というエピソードも残っています。もちろんロックジョウはこれはいかん、とすぐ本気モードになってベイシーを満足させたそうです。'60年代のレパートリーには彼でなくては吹けないアレンジのナンバーがいくつも( Cherokee、Magic Flea etc...)あり、さぞかし、彼のあとに入ったテナーは苦労したことでしょう。まさに One & Only の愛すべきテナーマン。 |
ソロを聴くなら・・・。 |