The Count In England


1. How High The Moon ( a.k.a. "The Moon Is Not Green" )
2. Speaking Of Sounds ( a.k.a. "Brushes And Brass " )
3. Bag-A' Bones
4. Who Me ?
5. The Deacon
6. Plymouth Rock
7. April In Paris
8. Fancy Meeting You
9. Five O'clock In The Morning
10. Roll 'Em Pete
11. Everyday I Have The Blues
12. One O'clock Jump

Personnel : Count Basie (p), Freddie Green (gt,shaker), Eddie Jones (b), Sonny Payne (dr), Snooky Young, Thad Jones, Wendell Culley, Joe Newman (tp), Al Grey, Henry Coker, Benny Powell (tb), Marshal Royal (as,cl), Frank Wess (as,ts,fl), Frank Foster, Billy Mitchell (ts), Charlie Fowlkes(bs), Joe Williams (vo)

Location & Date : Free Trade Hall, Manchester, England, Feb 21, 1959

Ro ulette レーベルとの契約期間('57〜'62年)のベイシーバンドは、Roulette レーベルからの最初のアルバム(Basie (a.k.a. "Atomic Basie") にちなんでアトミックバンドと呼ばれています。この時代はメンバーチェンジもほとんどなく、レパートリーもバンドの特性を知り尽くしたアレンジャーによる楽曲が大半を占め、Lester Young (ts)、Buck Clayton (tp) らスタープレイヤーを擁した'30年代後半に続き第二の黄金時代と呼ばれています。

 ヘッドアレンジ主体で荒々しいスウィング感で魅せた'30年代とは異なり、複雑なアレンジもレパートリーに加え、なおかつ'30年代後半に勝るとも劣らない強烈な一体感をみせたバンドは、ベイシー自身さえも後年「どの時代のバンドが最高だったか?」 との問いに、

『'50年代後半のバンドが最高だった。毎晩身震いするほどだったよ。』

と答えたほどです。

本アルバムは、そんな3年程度の期間の中でも一体感とベイシーバンド特有の寛いだ雰囲気がバランスよく共存し、Breakfast Dance And Barbecue などの名演が繰り広げられた'59年に行われたヨーロッパツアーでのライブ録音です。熱心なファンの多いイギリスでのライブなだけあって、絶頂期にさらに気合が入った演奏を聴かせてくれます。この時期おなじみの The Moon Is Not Green ( How High The Moon )、Bag-A' Bones、Fancy Meeting You、Who, Me ? などのナンバー、大ヒット曲ながらなぜかこの時期の録音は少ない April In Pairs、リズムセクションの要、Freddie Green がシェイカーにもリズム職人ぶりを聴かせる Brushes And Brass、Joe Williams (vo) のブルース三連発など、全曲聴きどころと言っても過言ではありません!

 なお、バンドはこの後'59年後半から'60年にかけてますます一体感を強め、 Palais De Chaillot 29 Mars 1960Fred Astaire Show などの音源では刹那的ともいえるほどキレまくった演奏を聴かせてくれます。そちらも是非!