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オールドベイシー期の Bille Holiday、Jimmy Rushing から、ニューベイシー期の Joe Williams、LHR、 Ella Fitzgerald、Sarah Vaughan、Frank Sinatra まで、歌手のバックバンドとしても 定評のあるベイシー楽団。ここでのお相手は1930年代から活動している「ジャズコーラスの草分け」、Mills Brothers。結成当初の「オリジナル・ミルス・ブラザーズ」は4人兄弟だったのですが長兄 John が事故で亡くなってしまったため、父親が参加していました。その父親も1957年に引退し、ここでも3人兄弟での共演となっています。ちなみにジャケットにはベイシー以外に4人の黒人男性が写っていますが、それはミルスブラザーズのギタリスト、Norman Brown。 ベイシーバンドは基本的に Mills Brothers のサポートに徹していますが、お互いに共演を待ち望んでいたといわれるだけに息はピッタリ。くつろいだテンポの Up A Lazy River、アップテンポの I Want To Be Happy、スタジオで演奏のプレイバックを聴いたベイシーとハリー・ミルスが踊り出したゴキゲンな December など、聴きどころは満載!唯一ベイシー楽団が主導権を握る十八番の April In Paris はいつものアレンジに申し訳程度にコーラスが入っているので、この曲はベイシーファン向けですかね。参加メンバーを見ていくと、古参のSonny Cohn (tp) が参加していなかったり、コンサートマスター、Marshal Royal (as) の弟、Ernie Royal (tp) が参加していたり、随分前にバンドを抜けたかつてのメインソロイスト、Frank Foster (ts) が復帰していたり、I May Be Wrong〜にはかつてのリードトランペット、Snooky Young が参加していたり、謎のドラマー Sol Gubin・・・と、どういう経緯でこのようなメンバーになったのか、思わず想像をめぐらせてしまいますねー。なお、このアルバムの成功でベイシー楽団+ミルス・ブラザーズの共演盤は続編(Annual Report)も作られました。そちらも是非どうぞ。 |