& Stockholm 1968 |
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名盤、Basie-Straight Aheadの吹き込みから1ヶ月後のベルリンでのライブ映像。ベイシーマシーンと揶揄されたポップアルバム乱作時代の末期であるものの、演奏されているナンバーはお馴染みのもの。そんななか、Malena Shaw の唄う、ボサノバアレンジの On A Clear Day などはかなりの変り種(でも抜群にカッコイイ!!)。Marlena Shaw は、この映像も含む1968年後半の3か月程度の在籍に留まり、全くといっていいほど録音を残していません。惜しい!! 全曲珠玉の名演ながら、最大の聴きモノは、ベイシーのピアノソロが存分に聴ける Good Time Blues!!この、ささやくような音量からエンジン全開のトゥッティまでの驚異的なダイナミクスレンジの広さ、それをベイシーが指一本で操っている様子には唖然とするばかり。ユーモアあふれるソロもベイシーの人柄が表れているようで微笑ましいです。他にも、後に西海岸の売れっ子セッションプレイヤーとなる Oscar Brasher の火の出るようなソロがフィーチャーされる A Night In Tunisia、リードアルト、Marshal Royal の繊細なソロの Lonely Street、Eddie 'Lockjaw' Davis (ts) が猛烈な急速調をいとも簡単(!?)に吹ききる Cherokee、Magic Flea、Malena Shaw がディープなブルースフィーリングを聴かせる I'd Rather Drink Muddy Water など、聴きどころは満載!!また注目すべきは、全編にわたって堅実かつ切れ味抜群のリズムを叩き出す Harold Jones (dr)、とハリのあるハイノートでセクションを引っ張るリードトランペッター、Gene Coe の二人。この二人のキーパーソンあってこその充実の演奏といえるでしょう。 また、この映像は渋いカメラワークにも注目! On A Clear Day で慣れないボサノバを弾いたり(でもやっぱりコードカッティング!)、尋常ではないテンポの Magic Flea に顔を歪ませる Freddie Green (gt) や、Lonely Street の哀愁漂うイントロでなぜかステージ後方(客席?)を指差して爆笑していたり、Good Time Blues で鍵盤のないところを叩いて客を沸かせるベイシーなど、音だけではなかなかわからない、バンドの様子がしっかりと見てとれます。 なお、近年発売されたDVD(上のジャケット)には同じヨーロッパツアーからスウェーデンのストックホルムでの音源が追加されており、曲目はベルリンでも演奏されているものがほとんどですが、ベルリンよりもクリアな映像で楽しめます。唯一ベルリンとカブっていない Splanky は曲自体はおなじみですが、映像では珍しいのでは? ※ストックホルムの公演は Count Basie A Bio-Discography (Chris Sheridan 著) によると 10/29 とされており、ここでの収録日の表記もそれに依拠しています。 |