Jazz Casual


1. I Don't Know
2. Handful Of Keys
3. Untitled
4. Squeeze Me
5. Twenty Minutes After Three
6. ( I'm Gonna Love You ) As Long As I Live
7. If I Could Be With You One Hour Tonight
8. National Educational Television Blues

Personnel : Count Basie (p), Freddie Green (gt), Norman Keenan (b), Sonny Payne (dr)

Location & Date : San Francisco, Aug 21, 1967

ャズ評論家、Ralph J. Gleeson がホストを務めるTV番組にベイシーがスモールコンボで出演した際の映像。メンバーは Freddie Green (gt)、Norman Keenan (b)、Sonny Payne (dr) という当時のベイシー楽団のリズムセクションそのまま。ベイシーのピアノプレイ、そして人柄を知ることのできる貴重な映像。もちろんサイドマンの堅実ぶりも光ります。

 一曲目の循環コードの曲からくつろいだ雰囲気で、ホストの Gleeson が「いまの曲名は?」 と尋ねると、「知らないね。」 とおどけて答えるベイシー。もう爆笑です。二曲目、ベイシーが突然弾き始めた "Handful Of keys" では、ベイシーが一回うなずいたのを合図に他のリズムセクションが瞬時に入ってくるところはもう鳥肌もの。それにしてもこの猛烈なテンポの循環コードのこの曲ではベイシーの超絶テクニシャンぶりをうかがわせます。それでも1コーラスで終わりにしてしまうところなどはベイシーらしいですよね。もっと見たいところではありますが。ベストトラックは "Squeeze Me"。ベイシーがカデンツァでイントロを弾き始め、フレーズがイン・テンポになった瞬間に他のリズムセクションがすかさず入ってくるあたり。メロディの美しさとあいまってジャズの醍醐味を教えてくれます。ドラムの Sonny Payne も得意のスティックお手玉をスタジオでの録音なので客もいないのに当たり前のようにやって、生粋のショウマンぶりを見せつけてくれます。また、"If I Could Be With You One Hour Tonight" ではベイシーが感極まって(!?)歌い出すシーンも。

 曲間の(というより話している時間の方が長いですが)インタビューでは Pete Johnson (p)、Fats Waller (p) への憧れや、自分のリズムセクション、ピアノに対する考え、「はじめはドラマーだったんだけど、エリントン楽団の Sonny Greer (dr) を見てあきらめたんだ。」 など語るあたり、なかなか貴重です。インタビュアーの Gleeson がベイシーの傍らで心地よさそうに演奏を聴いている姿も味があって良いですね〜。ベイシーはビッグバンドに限ると思っている人にこそ聴いて欲しい一本。必見。