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快作、Basie Straight-Ahead でベイシーマシーンと揶揄された低迷期を華麗に脱したかに見えたベイシーバンドでしたが、20年近く音楽監督を務めた Marshal Royal (as) の脱退、他界するまで30年近く在籍する事になる Charlie Fowlkes (bs) の両膝の骨折による一時離脱など、'60年代後半から'70年代初頭のベイシーバンドはいくらか不安定だったようです。そんななかでも、Basic Basie、Sammy Nestico 作品集第二弾 Have A Nice Day などの快作を出しているのだから驚異的です。その名も"Basic Basie Vol.2" というサブタイトルがつけられた本作も前作に引き続き不安定感を微塵も感じさせない演奏で安心して聴ける内容です。アレンジも前作と同じく全曲 Chico O'Farril。 前作の Idaho のように絶好調な Chicago でのっけから聞き手の心を鷲掴みです。曲調からしてベイシーバンドピッタリと思える曲ですが、Chris Cheridan による A Bio-Discography を見ても '59年の Tonny Bennett との競演(Basie Swings / Bennett Sings) と、このアルバムでの演奏しか残されていないようです。この時期のどのアルバムにもいえることですが、やはり堅実なリズムを叩き出す Harold Jones (dr) と豪放なソロの Eddie 'Lockjaw' Davis (ts) がキーパーソンとして全曲といってもいいくらいフィーチャーされています。Cherokee や Magic Flea、Whirly-Bird などアップテンポナンバーでソロをとることの多い Eddie 'Lockjaw' Davis ですが、このアルバムで聴ける Bewitched は彼の魅力が飛び道具的なアップテンポ演奏だけではないことを見事に証明しています。ベイシーがテーマを弾く Get Me To The Church、On The Sunny Side Of Street は個人的に大好きなナンバーです。それにしても、ベイシーのポロンポロンというピアノだけで、サウンドがメンバーに関係なく紛れもないベイシーバンドになってしまうのは、いつものことながら唸るしかありませんね。 |