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歴史的なコンサート( Jazz At The Santa Monica Civic '72 )で幕を開けた Pablo レーベルですが、はじめの3年ほどはベイシーの録音はジャムセッションアルバム(Basie Jam)や、大物ジャズミュージシャンとの共演作(Satch And Josh、Basie And Zoot etc...)などが吹き込まれたのみで Count Basie And His Orchestra 単独名義でのスタジオ録音はレーベル設立から3年が経った'75年録音の Basie Big Band を待たなければならず、旧知の名プロデューサー、 Notman Granz の下で快作連発を期待していた当時のファンはさぞかしやきもきしたことでしょう。本作はそんな待望のスタジオ録音直前の Montreux Jazz Festival でのライブ録音。 モントルーでは Montreux '77('77年)、On The Road('79年)など数々の名作を残してきたベイシーですが、ここでも胸のすくような快演を聴かせてくれます。名作 Basie Straight Ahead に収録されていた表題曲は オリジナルは Eric Dixon の優雅なフルートソロがフィーチャーされていましたが、ここでは Jimmy Forrest (ts) がブリブリと吹き散らすミディアムファストの曲に様変わりしています。ベストテイクはやはり Jimmy Forrest (ts) がロングソロを聴かせてくれる Body And Soul でしょう。情感たっぷりのテーマ、泉のように後から後からメロディがわいてくるようなイマジネーション溢れるソロ、感極まって暴走(?)してしまいベイシーもあきれる終盤のカデンツァと、曲のどこを切り取っても名演!数あるフィーチャーものの中でも相当上位に食い込むのではないでしょうか。ライブ中盤に出てくるボーカリスト、Bill Cuffey は多少クドい感がなきにしもあらずですが、ブルージーでなかなかいい雰囲気です。Why Not ?、In A Mellotone、I Needs To Be Bee'd With、Whirly-Bird など '50年代からのお馴染みのナンバーが並び、どれも素晴らしい演奏( Why Not ? は嬉しいですね〜)なのですが、特筆すべきは同年の2月にバンドに参加したばかりの若き Butch Miles のドラミング。バンド参加5ヶ月目にして既に完璧といっていいほど曲を理解し、バンドをぐいぐいと引っ張っているのがわかります。 Jimmy Forrest (ts)、Butch Miles (dr) ら キーマンが揃い、'30年代、'50年代に続き、第三の黄金期となった'70年代後半の幕開けともいえる貴重な音源!'70年代以降のベイシーのファンにとっては必聴の一枚です。 ちなみにベイシーは同日に Milt Jackson (vib)、Johnny Griffin (ts)らと Jam Session で共演しており、その模様はCD、DVDでリリースされています。そちらも是非。 |