Basie Is Back


1. Corner Pocket
2. Discommotion
3. Blues In Hoss' Flat
4. Segue In "C"
5. Basie Power
6. We're In Love Again
7. In A Mellotone
8. Body And Soul
9. Lover Come Back To Me
10. Whirly-Bird
11. Jumpin' At The Woodside
12. One O'clock Jump
13. April In Paris

Personnel : The World Famous Count Basie Orchestra
Bill Hughes (ldr,btb), Tonny Suggs (p), James Leary (b), Wll Matthews (gt), Butch Miles (dr), Michael Williams, Scotty Barnhart,Shawn Edmonds, Endre Rice (tp), Clarence Banks, Alvin Walker, David Keim, Barry Cooper (tb), Marshal McDonald, Grant Langford (as), Doug Miller, Doug Lawrence (ts), John Williams (bs)

Location & Date : Japan, Sendai Denryoku-Hall, Oct 28, 2005

イシーの死後、Thad Jones、Frank Foster、Grover Mitchell, らが引き継いだベイシー楽団。2003年の Grover Mitchell, の急逝により、April In ParisBasie In London などの名盤にも名を連ねている、古参の Bill Hughes がリーダーとしてバンドを引き継ぎました。

 その Bill Hughes をリーダーとしたバンドの初録音となる本作は、ベイシー存命中から熱心なファンが多いことで有名な仙台での録音。日本での公式ライブ録音盤としては、浜松で録音された Live In Japan '78 に続いて2枚目のアルバムとなります。また、コ・プロデューサーを岩手県一ノ関のジャズ喫茶、「ベイシー」のマスター、菅原正二氏が務めており、否が応にも期待は高まります。曲目、曲順についても氏の意向が反映されているらしく、ベイシーナンバーの王道ともいえる名曲が並んでいます。

 各曲に耳を傾けると、まず当時のスコアを忠実に再現し、なおかつベイシー、Freddie Green (gt) らの在世中に引けをとらないパワフルなサウンドを作り上げていることに驚かされます。また、現在のバンドのオリジナリティを出すことも忘れていません。Discommotion ではブリッジ部のブラスセクションのシャウトは、メロディは同じもののニュアンスがオリジナルから大きく変えられていたり(個人的には、興が削がれるので勘弁してほしいのですが。。。)、ピアノソロの冒頭がピアノの独奏になるなど、主亡き後のバンドメンバーの苦労のあとがうかがえます。また、1970年代にオープナーとして少ないながらも名演が残されている Ernie Wilkins 作曲の Basie Power は、オリジナルのミディアムファストから超急速調に豹変しており、アルバムのアクセントになっています。現在のバンドの最高のスタープレイヤー、Butch Miles (dr) のドラムソロが冴える Whirly-Bird は、奇しくも彼のバンド加入後最初の公式録音盤である、Fun Time にも彼のソロが収録されていますので、聴き比べてみるのも一興かもしれません。

 秀逸なジャケット、クリアな録音、王道の選曲、そして安定した演奏で、近年のベイシーバンドの作品の中では白眉といえる一枚。