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ジャズ界のみならず、アメリカを代表するボーカリスト、Tonny Bennett と、アトミックバンドと呼ばれ絶好調のベイシーバンドとの共演盤。当時 Tonny Bennett は32歳、後に醸し出す大物の風格はまだなく、ベイシーバンドとの相性も最高とは言い難いものの、既に名実共に最高のビッグバンドの一つであったベイシーバンドと互角に渡り合うあたり、ありあまる才能の片鱗を見せています。ただ、せっかくの共演なのですが、ベイシー自身は Life Is A Song、Jeepers Creepers にしか参加していません。ベイシーはボーカリストの伴奏をあまり好まなかったと伝えられていますが、なかなかどうして、ベイシーが参加した2曲は他の曲よりバンドのノリがいいように感じますし、Jeepers Creepers で聴かせるベイシーのソロはお決まりのフレーズながらもやっぱりいいなあと思います。 ベイシー抜きの演奏の中では、お祭り男 Sonny Payne (dr) が楽しそうに叩いてる様が目に浮かぶような Strike Up The Band、意外にもベイシーがほとんど録音を残していない Chicago(他に残されているのは High Voltage のみ)、リズム職人、Freddie Green (gt) によるアルペジオの歌伴が聴ける Growing Pains などなど、聴きどころは満載です。ちなみに近年の再発で付け加えられた After Supper は'50〜'60年代のベイシーを語るうえでの最重要人物の一人、Neal Hefti (arr) の作。インスト曲に歌詞をつけたものですが、なかなか味のある作品になっています。 |