Thad Jones (tp)

● 有名なジョーンズ三兄弟の次男。長兄 Hank はいまだ現役でジャズ界をリードしています。何かの記事に、「サドはハンクのクレバーさとエルビンの奔放さをあわせもったバランスのとれたミュージシャン」ということが書いてあったけれどまさにそのとおり。ベイシー楽団に提供した曲の凝りかたはクレバーでなければでてこないものだし、対照的に、 April In Paris のソロなどは彼の奔放さを最も表していると言えるでしょう。Joe Newman と並んで'50年代トランペットセクションのメインソロイスト。

● '60年代はじめ楽団を辞したあともビッグバンドの世界に身をおき、リハーサルバンドの先駆けとして名高い Thad Jones - Mel Lewis Jazz Orchestra を結成し、一世を風靡。サド=メル楽団解散後は北欧に渡り、そこでもオーケストラを指揮。そして、ベイシー亡き後の最初のリーダーとしてベイシー楽団に招かれ、来日も果たしました。そこでは、リズムセクションをベイシー存命中の後乗りのカンサスシティスタイルから、前乗りのニューヨークスタイルへと変え、大きな変革をもたらしつつあったが、体調を崩し、わずか1年たらずで指揮者の座を Frank Foster (ts,ldr) に譲り、引退。その後すぐに北欧にて死去。指揮者としても、プレイヤーとしても強烈なカリスマ性を備えた人。ベイシー死去直後の楽団を Freddie Green (gt) の人気に頼ることなくしっかりと支えた功労者。



ソロを聴くなら・・・。

April In Paris ( April In Paris ) :
サドのソロといえばこれ。マジメなんだかおちょくってんだか・・・。

Corner Pocket ( April In Paris ) :
トランペットソロ1人目。出だしで聴く者の心を鷲掴み!

Four, Five, Six ( Easin' It ) :
ブルースでもモダンなアプローチを見せる。