Sonny Payne (dr)

● 1950年代〜1960年代ベイシーバンドのドラムといえば、この人。1926年にNYに生まれ、少年時代から父親に付き添ってヴォードヴィルショーで活動していた。前任の Gus Johnson (dr) が体調を崩したときにエキストラで呼ばれ、そのエンターテイナーぶりをベイシーが気に入って正式入団となった。同時期にはビ・バップピアノの神様、Bud Powell のトリオで演奏していたことも。入団から10年もの間レギュラードラマーとして叩きつづけ、その後ことあるごとにゲストとして復帰、客演を繰り返した。特徴はまずそのエンターテイナーぶり。客が見ていようと見ていまいとスティックをお手玉のように操る。それは当時のジャズ批評雑誌に
『ドラムの Sonny Payne は間接照明がふさわしい曲でロケットを打ち上げる。』
と揶揄されたりもしましたが、もちろんベイシーがエンターテイメント性だけを買って10年もバンドにおいておくはずがなく、ごくごくシンプルなドラムセットを 120 % 駆使して Neal Hefti らのシンプルなアレンジの中で、計算ずくというよりほとんど動物的直感から来るヒラメキで縦横無尽に暴れまわった。こういう人を天才っていうんでしょうね。


ソロを聴くなら・・・。

Dinner With Friends ( April In Paris ) :
爽快なソロ!ライブでは3分近くもソロを取っています。

Cute ( Basie Plays Hefti ) :
ブラシのコントロールも素晴らしい。Frank Wess と並んで、この曲のもう1人の主役です。

Ol' Man River ( Autumn In Paris ) :
Sonny Payne のフィーチャー曲。延々と続くスティックお手玉。映像もすごい。