Together In Concert 1974

Album Cover

  1. Royal Garden Bluescomp : Clarence Williams, Spencer Williams
    arr : head
    solo : Count Basie, Oscar Peterson (p)
  2. Slow Blues In Gcomp : Count Basie, Oscar Peterson
    arr : head
    solo : Count Basie, Oscar Peterson (p)
  3. Jumpin' At The Woodsidecomp : William 'Count' Basie
    arr : head
    solo : Count Basie, Oscar Peterson (p)
  4. Basie Powercomp/arr : Ernie Wilkins
    solo : Eddie 'Lockjaw' Davis, Jimmy Forrest (ts)
  5. Mr. Softiecomp/arr : Nat Pierce
    solo : Pete Minger (flh)
  6. Body And Soulcomp : John Green, Ed Heyman, Ed Sour, Fran Eyton
    solo : Jimmy Forrest (ts)
  7. I Needs To Be Bee'd Withcomp/arr : Quincy Jones
    solo : Al Grey (tb)
  8. Cherry Pointcomp/arr : Neal Hefti, -
    solo : Curtis Peagler (as)
  9. Hide And Seekcomp : Joe Turner, Pete Johnson
    solo : Joe Turner (vo)
  10. Jumpin' At The Woodsidecomp : William 'Count' Basie
    arr : head
    solo : Pete Minger? (tp), Jimmy Forrest (ts)

1-3 : Count Basie And Oscar Peterson

Personnel : Count Basie, Oscar Peterson (p), Freddie Green (gt), Niels-Henning Ørsted Pedersen (b), Skeets Marsh (dr)

4-10 : Count Basie And His Orchestra

Personnel (on 4-8,10): Count Basie (p), Freddie Green (gt), Bill Davis (b), Skeets Marsh (dr), Lyn Biviano, Pete Minger, Sonny Cohn, Oliver Beener (tp), Al Grey, Mel Wanzo, Lincoln Ross (tb), Bill Hughes (btb), Bobby Plater, Curtis Peagler (as), Jimmy Forrest, Eddie 'Lockjaw' Davis (ts), John C. Williams (bs)

Personnel (on 9): Count Basie (p), Freddie Green (gt), Bill Davis (b), Skeets Marsh (dr), Pete Minger (tp), Al Grey (tb), Curtis Peagler (as), Eddie 'Lockjaw' Davis (ts), Joe Turner (vo)

Location & Date : Prague Jazz Festival, Prague, Czechoslovakia, Oct 26, 1974

1972年のレーベル立ち上げコンサート、Jazz At The Santa Monica Civic '72 以来、Pablo レーベル専属になったベイシー。Oscar Peterson (p)、Zoot Sims (ts) etc... との競演や自身のトリオ名義の録音はあったものの、肝心のビッグバンド録音は'75年録音の Basie Big Band まで1枚もありません。当時のファンはさぞかしヤキモキしたのだろうと想像できますが、そんな時期にもライブ活動は相変わらず精力的に行われており、Joe Turner (vo) や Joe Williams (vo) が参加したり、ビッグバンド編成の合間に Kansas City 7 風のスモールコンボを交えてみたり、試行錯誤が行われていたようです。この映像はそんな時期、'74年にベイシーが Oscar Peterson (p) らとともにチェコスロヴァキアのプラハで行われたジャズフェスティバルに出演した模様をとらえたもの。

Oscar Peterson との競演は市販された作品としてはおそらく初の貴重な映像!しかもこの演奏のおよそ1ヶ月後に Basie-Peterson の競演盤第1作、Satch And Josh が吹き込まれることを考えると非常に貴重な映像といえるでしょう。基本的には雄弁な Oscar Peterson のピアノの合間をベイシーのピアノが少ない音数で切り込む構図ですが、ときに立場が逆転したり、二人の微妙な駆け引きが見て取れて楽しいです。

ベイシーのステージはジャケットのパーソネルも曲目もメチャクチャ!パーソネルには Eddie 'Lockjaw' Davis ! Jimmy Forrest !! Butch Miles !!!・・・と、ベイシー好きなら手に取らずにはいられない名手が並びます。ウキウキしながらいざ再生してみると、あれ・・・?ドラムには金髪を振り乱してバンドをあおる Butch Miles とは似ても似つかない黒髪のおっさんが!!Chris Sheridan の A Bio-Discography によると Skeets Marsh という方のようです。Duke Ellington のバンドにも在籍したことのあるドラマーのようですが、Butch Miles のアツいドラミングを期待していた身としては肩透かしを食らってしまいます。

Basie Powerは、なんと Eddie 'Lockjaw' Davis ⇒ Jimmy Forrest という、ベイシーバンド史上一・二を争う個性派テナーのリレーが聴けます!これに関してはうれしい間違い!?古株の Eric Dixon はどこへ行ったんでしょう?On The Road の There Will Never Be Another You で胸のすくような快演を聴かせた Pete Minger をフィーチャーしたMr.Softie もうれしい選曲。Bag Of Dreams と並んで Jimmy Forrest のショーケース、Body And Soul はいつものことながらアツいテナーソロに聴き入ってしまいます。Joe Turner (vo) を交えて選抜メンバーによるコンボ演奏は、Flip Flop And Fly に収録されていた Hide And Seek と思われます。全体的にバンドの斜め後ろからのショットが多く、イマイチテンションがあがりませんが、初映像化なので文句は言えないところですね。

当時チェコスロヴァキアは共産主義国で、この映像の6年前には「プラハの春(チェコ事件)」が起き、東西冷戦の最前線といってもいいロケーションながら、アメリカのビッグバンドが演奏する環境があったのは非常に興味深いです。

※ジャケットには 1974/11/8 と記載されていますが、この日は Count Basie A Bio-Discography (Chris Sheridan 著) によるとベイシーバンドはすでにアメリカに帰国してVacation中とあります。同書によればこの年のヨーロッパツアー最終日にあたるプラハでの公演は10/26とされており、ここでの収録日の表記もそれに依拠しています。(11/8は恐らく現地TVでオンエアされた日だと思われます。)